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トラックドライバーが賃上げを実感しにくい背景とは
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、トラックドライバーの賃金は緩やかな上昇傾向にあります。一方で、「賃上げを実感できない」「生活が楽にならない」というトラックドライバーの声は小さくありません。
賃金は緩やかな上昇傾向
賃金構造基本統計調査によると、令和2年から令和6年の5年間で、大型トラックに乗車するドライバーの賃金は454万円から492万円に上昇しました。上昇幅は38万円です。
また、中小型トラックも、419万円から437万円に上昇しています。こちらの上昇幅は19万円です。
賃上げを実感しにくい背景
このように、5年前との比較よりも他産業との差がむしろ広がっている現状は、賃上げを実感しにくい原因のひとつといえるでしょう。
時間外労働の制限 2024年4月以降、働き方改革関連法案により、トラックドライバーの時間外労働時間には、「年間960時間まで」の上限が設けられました。働き方改革関連法案は、労働者の健康やワークライフバランスを守ることを目的としたものですが、残業代で大きく稼いできたドライバーが、これによって賃金を減らしてしまっているケースもあります。
物価高・社会保険料の増額 支出額の増加も、賃上げを実感しにくい要因のひとつです。
総務省によると、消費者指数は令和2年から令和6年までの5年間で約8.5%上昇しています。これに対し、同じ期間の大型トラックドライバーの賃金の上昇率は約8.2%、中小型トラックでは約4.3%となっています。賃金の上昇率が、物価高による消費の上昇率に追いついていない状況では、賃金が増えた恩恵を感じにくいでしょう。加えて、年々上昇する社会保険料も大きな負担となっています。
トラックドライバーが賃上げを実感しにくい主な背景としては、以下の3点が挙げられます。
● 他産業の賃上げにおいついていない
● 時間外労働の制限
● 物価高・社会保険料の増額
それぞれ見ていきましょう。
他産業の賃上げに追いついて
前述の通り、トラックドライバーの賃金は上昇傾向にあります。しかし、他の産業と比べると、上昇幅は大きくありません。
賃金構造基本統計調査によると、令和2年から令和6年の5年間で、全産業の平均賃金は487万円から527万円に上昇しました。上昇幅は40万円です。
| 令和2年 | 令和6年 | 上昇幅 | |
|---|---|---|---|
| 全産業平均 | 487万円 | 527万円 | 40万円 |
| 大型トラック | 454万円 | 492万円 | 38万円 |
| 中小型トラック | 419万円 | 437万円 | 18万円 |
このように、5年前との比較よりも他産業との差がむしろ広がっている現状は、賃上げを実感しにくい原因のひとつといえるでしょう。
時間外労働の制限 2024年4月以降、働き方改革関連法案により、トラックドライバーの時間外労働時間には、「年間960時間まで」の上限が設けられました。働き方改革関連法案は、労働者の健康やワークライフバランスを守ることを目的としたものですが、残業代で大きく稼いできたドライバーが、これによって賃金を減らしてしまっているケースもあります。
物価高・社会保険料の増額 支出額の増加も、賃上げを実感しにくい要因のひとつです。
総務省によると、消費者指数は令和2年から令和6年までの5年間で約8.5%上昇しています。これに対し、同じ期間の大型トラックドライバーの賃金の上昇率は約8.2%、中小型トラックでは約4.3%となっています。賃金の上昇率が、物価高による消費の上昇率に追いついていない状況では、賃金が増えた恩恵を感じにくいでしょう。加えて、年々上昇する社会保険料も大きな負担となっています。
まとめ
トラックドライバーの賃金は上昇傾向にありますが、他産業や物価の上昇幅には追いついていないのが現状です。ドライバーが賃上げを実感するためには、今後さらなる待遇改善が求められるでしょう。
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