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新物流効率化法について解説 令和7年4月1日より施行

令和7年4月1日より、「新物流効率化法」が施行されました。これは従来の「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」を基に、名称と内容が改正されたものです。

本記事では、新物流効率化法に対応するためのポイントを紹介します。

荷主・物流事業者に課せられる努力義務

新物流効率化法では、荷主と物流事業者に対して、それぞれ努力義務が課せられます。具体的には以下のとおりです。

  • 1. 積載効率の向上
  • 2. 荷待ち時間の短縮
  • 3. 荷役等時間の短縮
  • 4. 実効性の確保

それぞれの努力義務の取り組み内容と、その対象について、順番に解説します。

1.積載効率の向上

一回あたりの運送でトラックに積載する荷物の量を増加するよう努力する義務です。

具体的には、複数荷主の荷物を積み合わせたり、繁閑差の標準化や納品日の集約、物流・販売・調達など関連する部門同士の連携強化などが挙げられます。

この努力義務の対象となるのは、荷主やフランチャイズチェーン本部、運送事業者などです。

2.荷待ち時間の短縮

ドライバーが到着した時間から、荷役などの開始までの待ち時間を短縮するよう努力する義務です。

具体的には、トラック予約受付システムの導入や、混雑日時を回避したスケジューリングなどが挙げられます。

この努力義務の対象となるのは、荷主やフランチャイズチェーン本部、倉庫関係者です。

3.荷役等時間の短縮

荷積みや荷卸しなどの荷役について、開始から終了までの時間を短縮するよう努力する義務です。

具体的には、輸送用器具の導入による荷役の効率化や、パレットの標準化、タグを導入して検品を効率化する、事前出荷情報を活用するなどの取り組みが挙げられます。

この努力義務は、荷主や倉庫事業者などが対象です。

4.実効性の確保

新物流効率化法の実効性を確保するための努力も義務付けられています。

具体的には、責任者の選任や、社内教育体制の整備、取り組み状況や効果の把握、物流データの標準化、関係事業者間での連携などが挙げられます。

この努力義務は、荷主、サプライチェーン本部、運送事業者、倉庫事業者など、すべての関係者が対象です。

取り組み状況に関する指導など

国は、上記の努力義務が適切に行われているかどうかを調査し、必要に応じて指導や助言を行います。また、取り組み状況を点数化して、点数が高い者、低い者をそれぞれ公表するとしています。さらに悪質な事例については、トラック・物流Gメンや公正取引委員会による働きかけや要請が行われる可能性もあります。

特定事業者の指定

新物流効率化法では、以下の規模を満たす事業者を「特定事業者」に指定します。

対象 特定事業者に指定される規模
特定第一種荷主
(主に発荷主)
貨物自動車運送事業者または貨物利用運送事業者に運送させた貨物の合計重量が年度あたり9万トン以上
特定第二種荷主
(主に着荷主)
運転者から受け取った貨物と、引き渡した貨物の合計(間に他の者を介した場合も含む)の合計重量が年度あたり9万トン以上
特定連鎖化事業者
(フランチャイズチェーン本部)
連鎖対象者が運転者から受け取った貨物(間に他の者を介した場合も含む)の合計が9万トン以上
特定貨物自動車運送事業者等 年度末の時点で保有する事業用自動車の台数が150台以上
特定倉庫業者 その年度に入庫した貨物の合計重量が70万トン以上

特定事業者に指定された事業者は、前述の努力義務に加えて、中長期計画の作成や、定期報告、物流統括管理社(CLO)の専任が義務付けられます。

また、特定事業者が努力義務を著しく怠った場合、国からの勧告を受けることがあります。勧告に従わなかった場合は命令が行われ、それでも従わなければ罰金や公表の対象となります。

新物流効率化法について解説しました。物流事業者だけでなく、荷主やフランチャイズチェーン本部も対象となっているため、何をするべきかを確認したうえで、適切に対応する必要があります。

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