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「トラック運転者の長時間労働改善特別相談センター」が開設

2022年8月1日、厚生労働省は、トラックドライバーの長時間労働改善に向け、「トラック運転者の長時間労働改善特別相談センター」を開設しました。同センターでは、トラック運送事業者や発着荷主から、トラック運転者の長時間労働に関する質問や相談を受け付けています。

また、同センターの開設に併せて、「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」もオープン。こちらでは、実際に相談する際の手順や、相談を検討するときに読んでおきたい情報が掲載されています。
相談の流れ

トラック運転者の長時間労働改善特別相談センターに相談する場合は、ポータルサイトの相談専用フォームか、フリーダイヤルを利用します。なお、相談は無料で行うことができます。

相談専用フォームを利用する場合は、曜日や時間を問わずいつでも可能です。一方でフリーダイヤルを利用する場合は、利用時間が平日の9~17時に限定されるほか、12~13時が休憩時間となっている点に留意しておきましょう。

専用相談フォームかフリーダイヤルで相談し、その上で更に詳しく相談したい場合は、オンラインによる相談や、コンサルタントの訪問を受けることができます。

相談する前に

ポータルサイトには、「相談する前に」と題して、いくつかのコンテンツを公開しています。
ここではその一部をご紹介します。相談する前に一読することで、悩みの解決や、相談内容の整理に繋がるかもしれません。

▽2024年4月以降の時間外労働

2024年4月からは、トラック運転者にも時間外労働の上限規制が適用されます。
これにより、トラック運転者の時間外労働は、年間960時間が上限となります。

従来は特に制限なく行うことができた時間外労働でしたが、長時間労働防止のため、2019年より上限が設けられました。
この際、いくつかの職種では猶予期間が設けられ、トラック運転者にも5年間の猶予期間が与えられていましたが、その猶予期間も2024年3月限りで終わり、正式に適用となります。

▽改善基準告示

トラック運転者には「改善基準告示」という、運転時間にまつわるルールあります。
この改善基準告知も、2024年より新しくなる予定です。変更に際し、抑えていくべきポイントは以下の3点です。

・拘束時間:拘束時間とは、労働時間に休憩時間を足した時間です。1日あたりの拘束時間は、原則として13時間以内でなければなりません。それをやむを得ず超える場合も、最大16時間までとする必要があります。なお、15時間を超えても良いのは週に2回までとされています。

・休息時間:休息時間とは、勤務を終えてから、次の勤務が始まる前の時間のことを指します。休息時間は、原則として1日8時間以上設けなければなりません。

・運転時間2日間の平均:運転時間は、連続する2日間の、1日あたりの平均が9時間を超えないようにしなければなりません。

▽助成金の情報

ポータルサイトには、「働き方改革推進支援助成金」など、労働関係の助成金にかかわる情報も掲載されています。
助成制度を利用することで、長時間労働の改善を行いやすくなります。

文/BUY THE WAY lnc.

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