HOME > ドライブワーク通信 > トラック業界の景況感は全体的に悪化も、長時間労働は是正傾向に
ドライブワーク通信
トラック業界の景況感は全体的に悪化も、長時間労働は是正傾向に
8月8日。全日本トラック協会は2019年4~6月の景況感を発表しました。
中米貿易摩擦や世界経済の減速を受け、トラック業界の景況感にも陰りが出ています。
業界の軽機感は-30.3ポイントとなり、前回1~3月の-18.1ポイントと比較すると、-12.2ポイントの悪化となっています。
また2019年7~9月については、さらに7.8ポイント程度下がり、-38.1ポイントとなる見込みです。

過去10年間での景況感の推移を見てみると、リーマンショックの影響もあり-130ポイントを下回った2009年1~3月から、約5年間を掛けて徐々に回復し、2015年10~12月から2016年1~3月の約半年間は+20ポイント前後を記録していました。
2016年4~6月から現在にかけては、昇降を繰り返しながら+5~-40ポイントまでの間で推移しています。
前回2019年1~3月の調査では、「大幅に好転」が全体の0.7%、「やや好転」が16.1%だったのに対し、「やや悪化「が31.6%、「大幅に悪化が2.1%」でした。
これが今回2019年4~6月の調査では、「大幅に好転」は0.7%と変わらず、「やや好転」は12.8%と減少。「やや悪化」は35.4%と少し増え、「大幅に悪化」に関しては4.5%と倍以上に増えてしまっています。
労働力の不足感については「不足」「やや不足」の合計が70.4%と高い割合を占め、前回調査と比べてもやや増えていることから、依然として人手不足が深刻な問題であることが分かります。
採用状況を見ると「大幅に増加」「やや増加」の合計が20.8%と、前回調査の18.5%からやや増えたものの、「やや減少」「大幅に減少」を合わせた21.0%も、前回調査の18.9%から微増となりました。採用活動が上手くいっている事業者と、そうでない事業者との間に、差が現れ始めています。
人手不足に対する方策としては、「傭車の利用を拡大」が45%と最多。次いで「受注を断る」が28%。「管理者・事務担当者が乗車」が20%となりました。一方で残業時間、休日出勤の増加は7%に留まっています。
運賃・賃料については、一般貨物、宅配貨物、配以外の特積貨物の3分野すべてで上昇傾向にあります。
ですが一方で輸送数量は減少傾向。加えて人件費や燃料コストの負担が増えていることから、営業利益、経常損益ともに悪化しています。
この傾向は今後も継続する見通しです。
明るいデータもあります。所定外労働時間を見ると、「大幅に減少」「やや減少」の合計が33.9%で、「やや増加」「大幅に増加」の合計である8.0%を大きく上回りました。
前回の調査と比較しても良くなっており、長くトラック業界の課題のひとつであった長時間労働は徐々に改善されていることがわかります。
業界全体で取り組んできた働き方改革の効果が伺えます。
文/BUY THE WAY lnc.
-
深夜の運行でも食事を楽しめるサービスエリア4選
深夜に長距離を運転するトラックドライバーのなかには「サービスエリアに到着したものの、食堂が閉まっていて食べるものがない」という経験がある方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、深夜でも立ち寄りやすく、しっかり食事のとれるサービスエリアを紹介します。また、運転前の食事における注意点も紹介しているので、あわせてチェックしてください。 -
時間外労働の制限により、ドライバーの長時間労働は改善されたのか?
2024年4月より、働き方改革関連法案が適用され、トラックドライバーの時間外労働に「年間960時間まで」という制限が適用されました。また、改善基準告示も同時に適用され、年間の拘束時間や休息時間にも規制が設けられました。 -
外免切替制度内容変更、助成金について
海外で取得した免許を日本の免許に切り替える制度である「外免切替」。近年、この外免切替での免許取得者の問題が多発しています。その内容は「交通事故」、「交通マナー」です。外国人によるひき逃げや逆走が続発 問題が増加していることを受け、警察庁は10月1日より、外免切替を厳格化することを決定しました。今回は、どこが変更されたのか、今後どういったことが見込まれるのかをご紹介していきます。 -
外国人が好む募集要項
2025年春、特定技能制度に新しく追加された業種「自動車運送業」。現在、少しずつ参入企業が増え、採用活動を行っている企業が増えています。今後さらに多くの企業が参入し需要が供給を超え、人材の引き合いが見込まれるこの制度ですが、外国籍ドライバーが集まりやすい募集要項はどういった内容なのでしょうか。今回は、外国人の候補が好む条件について実際の声も参考にし、ご紹介します。 -
外国人ドライバーを検討する上での国籍比較
特定技能制度は、国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度です。2018年に在留資格「特定技能」が創設され、2019年4月から受入れが可能となりました。自動車運送業分野においては、特定技能1号について受入れが可能な分野として2024年4月新たに定められました。