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ソフトバンクが5G技術を用いた隊列走行の実験に成功
2019年2月。ソフトバンクは新東名高速道路新東名高速道路で、トラック隊列走行の実験に成功しました。

隊列走行とは、1台の有人トラックの後ろに、数台の無人トラックを追従して走行させるという技術です。運送業界を悩ませる慢性的な人手不足・ドライバー不足の解消や、省力化に繋がる技術として注目を集めています。
今回の実験では、3台のトラックが隊列を組み、一般車両も走る約14kmの試験区間を、時速約70Kmで走行し。大きなトラブルはなく、安定して隊列を維持できることが証明されました。
隊列走行の実験が成功した背景には、「5G」という新たな無線通信システムがあります。
「5G」とは「5th Generation(第5世代)」の略で、2019年の時点で流通している多くのスマートフォンが搭載する4Gの後継規格となります。5Gが4Gに比べて優れている点は、高速大容量、低遅延、他接続といった点です。
今回の隊列走行実験では、隊列を組むトラック同士の車間距離を制御するシステム(CACC)に5Gの技術が採用されています。5Gの低遅延通信により各トラックの位置や速度の情報を瞬時に共有し、乱れることなく隊列を組むことが可能になりました。
なお、5Gの技術を用いた車間距離の自動制御については、今回の実験が世界で初めての成功例になります。
今回の実験は、車間距離約35m、時速約70Kmという条件のもとで行われましたが、この条件は現在の公道における法規制の限界によって決められたものです。過去にテストコースで行った実験では車間距離を10mまで詰めたり、速度を上げての実験にも成功しています。
車間距離を詰めれば、隊列走行中のトラックの間に、一般の車両が誤って入ってしまうといった事態を起こりにくくすることができるようになります。一般車が入り込んでも通信に影響はありませんが、それでも入らないに越したことはありません。また燃費も大幅に削減でき、エコロジー・エコノミー両方の観点で大きなメリットがあります。
今後の実用化に向けては、技術面のブラッシュアップだけではなく、法整備の面でも進めていく必要があります。今回行った実験の成功は、そういった部分でも大きな後押しになっていくはずです。
今回の実験で車間距離の制御に使用されたCACCは、市販の乗用車にも採用が進んでいる安全運転支援システム(ACC)を発展させ、車車間通信の要素を加えたものになります。
この車車間通信の技術を乗用車向けのACCにも追加することで、ACC自体を更に改良できる可能性があります。例えば渋滞時に最適な車間距離を制御することで、渋滞の効率的な解消に繋げることが可能になるだろうと期待されています。
今回の実験今回の実験結果によって、今すぐに隊列走行がスタンダードになるというわけではありませんが、それでも実用化に向けた大きな一步となったことは間違いありません。
ソフトバンクでは今後もこの技術の実用化・標準化に向けて、実証実験や技術検証を続けていくとコメントしています。
文/BUY THE WAY lnc.
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