> > 健康起因事故を減らそう。日々の心がけやサービスの紹介

ドライブワーク通信

健康起因事故を減らそう。日々の心がけやサービスの紹介

ドライバーの健康状態に起因する事故が増加傾向にあります。 健康起因事故の現状や、日常生活での心がけ、安全のためのサービスなどについてご紹介します。

健康起因事故の現状

国土交通省が行った調査によると、事業用自動車の健康起因事故は、平成18年から28年までの10年間で3.5倍以上も増加しています。
事故原因となった疾患としては、クモ膜下出血をはじめとする脳血管疾患と、心筋梗塞などの心臓疾患が合計で4割以上を占めます。さらに死亡事故に限れば、7割以上が脳血管疾患と心臓疾患によるものとなっています。
また健康起因事故を起こしたドライバーは、平時より血圧、コレステロール値、中性脂肪など、突然の体調不良の原因となる数値が高い傾向にあったことも明らかになっています。

ドライバーが健康リスクを抱えてしまう背景には、競争の激化やドライバー不足などの諸問題により、労働環境が激務化、かつ不規則化していることがあげられます。
運送事業者にとって、ドライバーの健康リスクは、交通事故のリスクとイコールです。交通事故を減らすためにも、ドライバーの健康管理を業界全体で行っていく必要があります。

健康状態を保つ「Smart Life Project」

ドライバーのコンディションを健康に保つためには、業務時間内だけではなく、日常生活全体を見直していく必要があります。
国土交通省の資料では、厚生労働省が健康寿命を伸ばすための「Smart Life Project」として提唱している3つのアクションを、ドライバーにとっても必要な生活習慣として紹介しています。

1.Smart Walk
通勤時に苦しくない程度のはやる気をするなど、1日10分ほどの運動習慣を提唱しています。

2.Smart Eat
1日あたりの野菜の摂取量をあと100g増やすことや、朝食を食べることを提唱しています。

3.Smart Breath
禁煙することを提唱しています。

東芝システムの「日常健康見守りサービス」

新たな取組のひとつとして今回ご紹介するのが、東芝システム株式会社が提供する「日常健康見守りサービス」です。本サービスではタブレット端末を使用し、ドライバーひとりひとりの睡眠時間や歩数、血圧、脈拍、体重などの健康データを収集。またチェックリストによる健康状態の確認を行うことができます。

導入事例として紹介されている中京臨海バスでは、年2回の健康診断や、採用時の脳ドック、睡眠時無呼吸症候群の検査実施など、従業員の健康ケアを行っていたにもかかわらず、5年間で3年のドライバーが脳卒中や心臓疾患によって亡くなってしまいました。
意識を失ったのが運転中ではなかったため、第三者を巻き込んだ事故にこそ至らなかったものの、健康管理を抜本的に見直す必要があると同社は考えました。

そういった経緯で「日常健康見守りサービス」の導入を行ったところ、健康リスクのあるドライバーを未然に発見し、リスク改善に向けた生活改善に取り組めるようになりました。
また健康状態やリスクが可視化されるため、ドライバーの健康意識を高めるためにも役立っているといいます。

文/BUY THE WAY lnc.

ドライブワーク通信バックナンバー
  • 能登半島地震の被災地に対する、運送事業者の支援を一部紹介
    2024年1月1日に発生し、240名の命を奪った能登半島地震から1ヶ月が経過しました。被災地では現在でも約1万4000人の方が避難所での生活を余儀なくされています。そんななか、全国のさまざまな企業が、被災地に向けた支援を実施、あるいは今後の支援を表明しています。今回は、運送事業者が行った支援について、ごく一部ではありますが紹介していきます。
  • 佐川急便、再配達の荷物をファミリーマートのロッカーで受け取れるサービスを開始
    2024年1月22日、佐川急便株式会社(以下:佐川急便)は、不在で受け取りができなかった宅配便の荷物を、ファミリーマートの専用ロッカーで受け取れるサービスを開始しました。再配達の削減効果に期待がかかるほか、ユーザー目線では受け取りの選択肢が増えることによる利便性の向上が見込まれます。
  • 消費者庁、EC事業者に対し「送料無料」の表示の見直しを要求
    2023年12月19日、消費者庁 はEC事業者などに対し、「送料無料」表示の自主的な見直しを求める旨を発表しました。この要求の背景にあるのが、背景には、2024年4月以降に起こるとされている「物流の2024年問題」です。
  • 引越事業者優良認定制度(引越安心マーク)とは?概要と取得の手順を紹介
    「消費者に選ばれる引越事業者でありたい」「引越作業の質の高さをアピールしたい」引越事業者のなかには、上記のような悩みをお持ちの引越事業者の方もいるのではないでしょうか。多くの消費者は、できるかぎり信頼のおける引越し業者に依頼したいと考えるものです。そこで効果的なのが、「引越事業者優良認定制度(引越安心マーク)」の取得です。全日本トラック協会(全ト協)による認定制度なので、取得すれば客観的に引越作業の質の高さをアピールすることができます。本記事では、引越安心マークの概要と、取得手順について解説します。取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください 。
  • 事業用自動車総合安全プラン2025」達成に向けた、全日本トラック協会の取組状況が公表
    令和5年11月17日、「事業用自動車総合安全プラン2025」達成に向けた全日本トラック協会の取組状況 が発表されました。本記事では、国土交通省が掲げる「事業用自動車総合安全プラン2025」と、その達成のために全日本トラック協会が定めた「トラック事業における総合安全プラン2025」の概要と現状について、それぞれ解説します。

ドライブワーク通信一覧へ

Copyright (c) Az staff Inc. All Right Reserved.