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物流危機を救え!・・・各社の取り組み
ネット通販の普及によって、トラックによって運ばれる荷物の数は年々増え続けています。2016年の時点では、日本全国で1年間に約38億個の宅配便がトラックによって運搬されました。運搬数の増加に伴い、かつてないトラックドライバーの不足が、大きな社会問題になっています。今後もこのままのペースで運搬数が増え続けた場合、遠からず日本の物流は成り立たなくなるでしょう。
運送業界では現在この問題の解決に向け、様々な解決策を模索しています。
1台のトラックに2台のトレーラーを連結した「ダブル連結トラック」という車両の導入が検討されています。導入された場合、1台のトラックでより多くの荷物を運搬できるため、効率的な輸送が可能となります。
現行の特車通行許可基準では、トラックの車両長は21メートルまでと定められていますが、国と企業はこの基準を最大25メートルまで緩和されていることを目指しており、現在も走行実験を行っています。

軽自動車よりも小さい電気三輪トラックも登場しています。小さくて小回りが利くため、従来のトラックでは侵入できなかった細い路地にも侵入することが可能な上、駐車場所を見つけることも容易なので、配送の効率化が期待されています。
航続距離は約30~60キロ。積載量は約150キロと、狭い範囲での利用には充分。また電動のため家庭用コンセントで充電することができ、エンジン音もないため、周辺環境にも優しい車両です。
ヤマト運輸とDeNAは、ドライバーが乗らない車両が荷物を届けてくれる無人配送「ロボネコヤマト」の実験を神奈川県藤沢市内で開始しています。スマートフォンのアプリで荷物を受け取る時間や場所を指定すると、その時間に無人の車がやって来ます。荷物を受け取る時は、車に備え付けられた鍵付きのボックスに受取人がパスワードを入力することで、解錠して荷物を取り出します。場所の指定は自宅に限らないため、外出先で荷物を受け取ることも出来ます。
またAmazonやGoogleでは、無人のドローンを使った配達の実用化が近づいているといわれています。「荷物は人が運ぶもの」という常識が覆される日も、そう遠くはないのかもしれません。
運送業界が人手不足に陥る一方で、日本のバス事業者は赤字に悩んでいます。日本の乗合バス事業者のうち約7割が赤字で、特に地方では9割以上が赤字になっています。そこで登場したのが、人と荷物を同時に輸送する「貨客混載」という仕組みです。
従来、人と荷物を同時に輸送することは法律で禁止されていましたが、2017年9月より規制が緩和され、貨客混載が可能になりました。これにより、運送業界は人手不足を解決し、バス事業者は運送による収入でバスの運行を維持することができると期待されており、過疎地域を中心に注目を集めています。

運送業界、そして日本社会が現在直面している物流機器は、その深刻さを日に日に増しています。
しかしその一方で、これまでになかった革新的な方法を見出すべく、企業はより挑戦的に試行錯誤を続けています。
文/BUY THE WAY lnc.
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