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ドライブワーク通信
トラックドライバーの「2020年問題」不足する物流の担い手、どう補う?
トラックドライバーの不足についてはこれまでドライブワーク通信でもたびたび取り上げてきたが、ここへきていよいよ深刻化しているらしい。なぜトラックドライバー不足はこれほどまでに深刻なのか?
問題の原因としては「需要が増加しているが、人材は減っている」ことが挙げられる。
2015年の経済成長率は1.9%。インターネットの通信販売の利用者数の増加なども加わり、国内の物流量は増え続けている。今後も日本が今後も右肩上がりで経済成長を続けた場合、さらに必要とされるドライバー数は増加するだろう。
2006年にピークの92万人に達して以来、下降し続けているドライバー人口。
さらに、ドライバーの総人口の15%に当たるは60歳以上の高齢者とみられており、若手の人材が不足している。今後はさらに高齢化が加速する見込みだ。
実際、2013年には消費税増税前の駆け込み需要により、ドライバー不足が深刻化し、「トラック運送事業者に仕事を依頼しても断られた」「3月中に出荷できず、4月にずれ込んだ」「トラッ ク運賃が急騰した」などの声が荷主サイドから国交相に寄せられていた。その後、景気低迷により、需要数は1時停滞したが、景気回復により需要が回復し再びドライバー不足に陥ることは必至である。
不足分の大半は大型トラックドライバーであり、大型トラックは国内物流の根幹を支える存在である。
スピーディーで高度に発達した物流システムが社会基盤を支えている日本社会では、ドライバー不足が経済の発展や国民の基本的生活を揺るがしかねないと言われているのだ。

2020年にはご存知の通り、オリンピック・パラリンピックがある。それに向け、政府は主に都市部において急速なインフラの整備を進めており、現在は建設ラッシュだが、そこでも深刻な問題となっているのがトラックドライバー不足。
建設関連貨物を運ぶドライバーは社会インフラの整備にはなくてはならない存在だ。
2020年に予想されるドライバーの需要総数は約92万4000人だが、このまま人数が下降を続けた場合には10万6000人ものドライバー不足が予想される。これにより、都市の整備や建物の建設に遅れが出、オリンピックの開催にも影響を及ぼしかねないそうだ。
スーパー・コンビニの陳列棚から商品が消えてしまったり、資材の届かない建設現場で工事が中断するといった未来が確実に押し寄せている。
ドライバー不足は、運送業回だけでなく国を挙げての重要な問題と化しているのだ。
ある食品メーカーなどは鉄道コンテナ輸送や海上輸送へのモー ダルシフトを推進する一方、トラック運賃の大幅な値上げを容認し、安定的な輸送を確保している。今後こう言った企業はますます増えるだろう。

政府は「トラガール推進プロジェクト」など、女性のドライバーを増やす方針を打ち出し、人材の確保に努めているが、未だに減少は止まっていない。
その原因は、「労働環境が過酷」「長時間の労働」「低い賃金水準」といったトラックドライバーに対するイメージが挙げられる。
しかし、以上のような理由から、ドライバーの賃金水準は今後しばらくは安定する見込みであり、働き方の多様化や柔軟な勤務体制を進めている運送業者もわずかずつだが増え続けている。
労働環境の整備により、今後少しでもドライバーにとって働きやすい環境と賃金水準が守られ、ドライバー不足が防止されれば良いのだが……。
文/BUY THE WAY lnc.
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