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オーサムエージェント、トラックドライバーが「転職しようと思った理由」に関する調査結果を発表
人材不足は、運送業界にとって慢性的な課題の一つです。この課題を解消するためには、新たな人材の採用とあわせて、既存の人材の定着も欠かせません。
そこで、株式会社オーサムエージェント(以下:オーサムエージェント)は、「ドライバーに聞く転職調査」を実施し、同社が運営する運送業に特化した求人サイト「ドラピタ」のユーザーを対象に、「ドライバーが転職する際に何を考えているのか」を探りました。2024年5月2日には、その調査結果を公表しています。
調査結果について触れるまえに、トラックドライバーの入職率と離職率について見ていきましょう。厚生労働省の令和4年雇用動向調査によると、「運輸業・郵便業」の入職率は10.2%、離職率は12.3%、入職率から離職率を差し引いた入職超過率は-2%でした。
また、全業種における入職超過率の平均は0.2%ですが、法定16業種のうち、入職超過率がマイナスとなったのは8業種あり、「運輸業・郵便業」の-2%は、このなかでも4番目に悪い数字です。
このことから、運送業界の人手不足は依然として進行しており、他の業種と比べても悪い状況だといえるでしょう。
続いて、オーサムエージェントが実施した「ドライバーに聞く転職調査」の結果を見ていきましょう。
対象者の6割が40~50代
今回の調査の対象となったのは、運送業に特化した求人サイト「ドラピタ」のユーザー120名です。対象者の年齢は20~70代まで幅広く、うち60%が40~50代でした。仕事で乗車する車両は、大型トラックが40.7%、中型トラックが36.6%、小型トラックが18.7%となっています。
過去の転職回数については「5回以上」と回答した人が43.1%が最多でした。1回以上転職を経験している人は95%以上でしたが、調査対象者が求人サイトのみである点には留意する必要があります。
「転職しようと思った理由を教えて下さい」という質問に対する回答は、「給与に不満があった」が42.9%で最多でした。厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、トラックドライバーの平均年収は大型トラックで463万円、中小型トラックで431万円となっており、全産業平均の489万円を下回っています。
給与以外に多かった転職理由としては、「人間関係に不満があった」の34.5%、「会社の制度や体制に不満があった」の31.1%、「会社の将来性に不安を感じた」の26.1%など、働きやすさ関する理由が多く挙がりました。
トラックドライバーが転職を考える理由は、給与への不満が最も多いことが分かりました。しかし、経営状況に余裕がない限り、給与を大幅に改善することは容易ではないでしょう。
給与の上乗せが難しい企業であっても、人間関係や制度といった、働きやすさに関わる部分であれば、改善できる余地があるでしょう。まずは働きやすい環境を整備することで、人手不足を解消することができれば、将来的な経営状況の改善や、給与の上乗せにもつながる可能性があります。
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