HOME > ドライブワーク通信 > トラックドライバーの長時間労働改善に向け、一般消費者に求められることとは
ドライブワーク通信
トラックドライバーの長時間労働改善に向け、一般消費者に求められることとは
厚生労働省の「自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」では、一般消費者向けのコンテンツとして、宅配便や引越しに際するおねがいを掲載。
トラック運転者の労働時間削減に向けた協力を求めています。
自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイトは、トラック運転者やバス運転者、ハイヤー・タクシー運転者など、職業ドライバーの労働環境改善を目的としたサイトです。2022年8月からは、トラックドライバーや事業者、荷主などを対象とした特別相談センターも開設されました。
長時間労働は、トラック業界が長年抱えている慢性的な課題のひとつです。令和3年度におけるトラックドライバーの年間労働時間は2544時間で、全産業平均の2112時間よりも400時間以上も多い結果でした。
このような状況のなか、2024年4月からは、トラック運送事業者に対する新たな労働規制が適用され、時間外労働や1日あたりの労働時間に従来よりも厳しい制限が設けられます。
この規制により、トラックドライバーの長時間労働の軽減が期待されます。しかし一方で、トラックドライバーの稼働時間が減ることによって、運べなくなる荷物が出てくるのではないかかと危惧されています。野村総研の推計によると、2030年には、2015年比で35%ほどの荷物が運べなくなるとされています(2024年問題)。
2024年問題によって運べない荷物が増えれば、一般消費者の生活にも悪影響があることは想像に難くありません。そしてこの問題を解決するためには、トラック運送事業者や荷主企業はもちろん、一般消費者の行動変容も求められています。
自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイトでは、一般消費者向けに、「トラック運転者の労働時間削減に向けてあなたにできること、やってほしいこと」として、幾つかの内容を紹介しています。
まずは宅配便に関係するものです。宅配便の取扱個数は令和3年で50億個を超え、35億個だった平成24年からの10年間で15億個の増加となりました。そしてそのうち10%以上が再配達の対象となっています。トラックドライバーにとって、配達先のもとを繰り返し訪ねなければならない再配達は大きな負担です。再配達を減らす工夫をすることで、将来的な物流網の維持や改善に協力することにも繋がります。再配達を減らすための具体的な工夫としては、宅配ボックスや、コンビニ・営業所受け取りの利用、受け取りやすい日時・場所の指定などが挙げられています。
また、引越しについては、繁忙期である3~4月、土日祝日を避け、早めに依頼することなどが勧められています。
トラックドライバーの長時間労働改善はトラック運送事業者や荷主企業だけでなく、一般消費者にとっても重要な課題です。特に2024年以降は、運送における社会全体のリソース(≒トラックドライバーの労働時間)が従来よりも限定されることになります。そのため一般消費者には、限られたリソースを社会全体で分け合っている意識を持つことが求められています。
文/BUY THE WAY lnc.
-
白トラ行為への規制強化 ポイントを解説
2026年4月1日より、貨物自動車運送事業法の改正法が一部施行され、違法な白ナンバートラック(白トラ)への規制が強化されます。従来の白トラ規制は、主に運送を行った事業者が処罰の対象でしたが、この規制強化により、運送を行った荷主も責任を問われることになります。 -
冬用タイヤは「溝深さ」に注意 重要性と確認方法を紹介
冬季のトラック輸送では、路面の凍結や積雪がある地域での走行が避けられず、冬用タイヤの装着が不可欠です。しかし、安全に走行するためには、単に冬用タイヤを履くだけでは不十分で、適切な管理が欠かせません。なかでも特に重要なのが、タイヤの「溝深さ」です。本記事では、大型車の冬用タイヤにおける溝深さの基礎知識や重要性、点検方法などを分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。 -
1月開催!外国籍ドライバー採用に向けたネパール視察ツアー企画!
2024年3月、特定技能制度に追加された自動車運送業分野。弊社アズスタッフでは先行して特定技能ドライバーの教育事業をネパールにて展開し、依頼に対して迅速な対応ができるように、準備を進めてきました。現在は教育を終えて内定を待っている候補者が多くいるため、圧倒的なスピード感での入国を実現させることが可能となります。ネパール現地では国家資格を有する日本人の教職員を駐在させ、ドライバー教育を行っております。そして今回、1月21日(水)~23日(金)にかけ実際の教育現場の見学や、現地の日本語学校、教習所を視察し面接が可能なツアーを開催することが決定いたしました。今回はその内容についてご紹介します。 -
現地教育
弊社アズスタッフでは、ネパールの現地企業と連携した特定技能ドライバー教育事業の開始を発表しました。2024年3月、特定技能制度に自動車運送業に追加されましたが、現状はまだ広く浸透していないことを背景に、アズスタッフでは、国家資格を有する日本人の教職員を現地に駐在させ、ドライバー教育を行う事業に乗り出しました。今回はその現地での事業の内容をご紹介します。 -
ヨシ! 「仕事猫」が車輪脱輪事故防止を啓発
一般社団法人日本自動車工業会は、人気キャラクター「仕事猫」とコラボし、大型車の車輪脱落事故防止を啓発するチラシを制作しました。本記事では、車輪脱落事故の概要や原因、日常的に行える対策などを紹介していきます。「仕事猫」や、「車輪脱落予兆検知装置」についても解説していくので、ぜひ参考にしてください。












