> > 伊藤園、営業トラックの架台に茶殻を配合 最大で110kgの軽量化に成功

ドライブワーク通信

伊藤園、営業トラックの架台に茶殻を配合 最大で110kgの軽量化に成功

令和4年6月、茶製品・清涼飲料水メーカーの株式会社伊藤園(以下:伊藤園)は、茶殻を配合したパネルを開発し、同社のトラックをはじめとする営業車両の架台に利用することで、従来より最大で110kgの軽量化に成功したと発表しました。
背景

伊藤園が運用するトラックの架台は、軽量化と強度の観点から主にアルミ材が利用されています。しかしアルミ材などの非鉄金属は、世界情勢の影響を受けやすく、供給の安定性に課題をかかえています。

そこで今回、アルミ材の代替となる素材として開発されたのが、伊藤園が岐阜プラスチック工業(以下:岐阜プラスチック工業)と共同開発した、「茶殻配合軽量パネル」です。

茶殻リサイクルシステム

茶殻配合軽量パネルの開発には、伊藤園の独自技術である「茶殻リサイクルシステム」が用いられました。茶殻リサイクルシステムは、茶系飲料の製造過程で排出される茶殻を、含水のまま工業製品の原材料に使用する技術です。

伊藤園では2000年より同システムの研究開発を行い、2001年には第一号製品である「茶配合ボード」を開発。この茶配合ボードは2002年、茶殻リサイクル製品としては初となるエコマークを取得しています。伊藤園ではその後も、石膏ボードやコンクリートなどの建材、エアコンフィルターなどの樹脂製品、封筒や段ボールなどの紙製品など、100種類以上もの茶殻リサイクル製品を生み出してきました。

茶殻配合パネル

茶殻配合は、伊藤園の茶殻リサイクルシステムを用いて、軽量・合成素材の樹脂製ハニカムパネルである岐阜プラスチック工業の「テクセル」に、茶殻配合樹脂を組み合わせることで、開発が実現しました。

この茶殻配合パネルを、営業車両のスライドドアやバックドア、床材などに使用することで、安定供給が難しい非鉄金属の使用量を削減。さらに従来の車両とくらべて、最大で110kgの軽量化にも成功しています。

さらに、軽量な茶殻配合パネルを採用したことで、スライドドアやバックドアを開閉する際に必要な力は、従来の1/3にまで抑えられました。

今後は販売も視野に

今回の発表に際し伊藤園は、これからも茶配合製品の研究開発に取り組み、普及させることで「茶殻=捨てるもの」ではなく「茶殻=身近な有用資源」という意識付けを行っていく考えを示しました。

また営業車両については、軽量化に取り組んでいくとコメント。さらに自社の営業車両の軽量化で培った技術をもとに、架装メーカーを通じての販売も視野に入れ、物流における石油資源の節約や、それに伴うCO2の排出削減にも貢献していくとしています。

文/BUY THE WAY lnc.

ドライブワーク通信バックナンバー
  • トラックドライバーの平均拘束時間、2024→2025年度は減少傾向
    運送業界ではドライバー不足が慢性的かつ深刻な課題となっています。また、現役ドライバーの高齢化も進んでおり、十分な対策を取れなかった場合、今後の状況はより悪化していくことが見込まれます。ドライバー不足の背景にはさまざまな要因がありますが、なかでも大きなもののひとつが、労働時間の長さです。国土交通省は、トラックドライバーの1運行あたりの平均拘束時間に関する調査を行い、その結果を令和8年7月10日に公表しました。
  • トラックドライバーの熱中症対策
    トラックドライバーの熱中症リスクは小さくありません。屋外や倉庫における荷物の積み下ろしなど、高温多湿の環境で作業していた際に、熱中症に陥ったケースが数多く報告されています。死亡事故も発生しており、十分な対策が不可欠といえるでしょう。本記事では、熱中症の基本的な知識を再確認したうえで、具体的な対策をいくつか紹介します。
  • 燃費改善に役立つ「エコドライブ」 燃料費高騰への対策に
    近年の燃料費の高騰により、トラックにおける燃費削減の重要性が高まっています。また、国土交通省の資料によると、2024年における日本のCO2総排出量のうち、営業用貨物車が占める割合は約4%にのぼりました。地球温暖化の深刻さや、国が掲げる温室効果ガスの削減目標を考慮すると、これは決して小さな数値とはいえません。全日本トラック協会を含む複数の交通系団体によって構成される「エコドライブ推進協会」では、燃費やCO2の削減に向けて、トラックドライバーが実践できる10のアクションを「エコドライブ10のすすめ」としてまとめています。
  • 荷主企業が主体的に取り組む温室効果ガス排出量削減 ユーグレナのバイオ燃料を活用
    2026年7月1日、株式会社ユーグレナは、丸紅ロジスティクス株式会社、丸紅エネルギー株式会社、篠崎運輸株式会社と連携し、バイオ燃料「サステオ51」を用いたトラックによる荷主の拠点間輸送を開始しました。サプライチェーン排出量の「Scope3」に該当する輸送由来のGHG(温室効果ガス)排出量を、荷主企業が主体となって削減する取り組みです。
  • 改正物流効率化法が4月1日に施行も、7割の企業が「内容を知らない」と回答
    帝国データバンクは、2026年4月1日に施行された「改正物流効率化法」に関するアンケート調査を行い、その結果を5月28日に公表しました。調査対象となったのは全国の2万3,083社、うち有効回答があったのは1万538社で、回答率は45.7%でした。

ドライブワーク通信一覧へ

Copyright (c) Az staff Inc. All Right Reserved.