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ドライブワーク通信
より良い物流の実現に向け、一般ユーザーに「できること、やって欲しいこと」
厚生労働省は9月6日に「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト( https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/ )」を開設しました。サイト内では運送事業者や荷主企業に向けたコンテンツの他、「国民のみなさまへ」と題した一般ユーザー向けのコンテンツも掲載。トラック運転手の労働時間削減に向けて一般ユーザーに求めたい配慮や協力を「あなたにできること、やってほしいこと」として紹介しています。

国土交通省が発表した資料によると、2019年4月の時点で、宅配便の再配達率は16%にものぼりました。これは宅配便業者にとって大きな負担となっています。同省では2020年までに、この数値を13%以下に下げることを目標としています。
再配達を減らすための「できること、やって欲しいこと」としては、「宅配ボックスやコンビニ受け取り、営業所受け取りの利用」「受け取りやすい日時、場所の指定」「不在時には配送日時や場所を変更する」といった事柄が挙げられています。「通信販売を利用する際にはできるだけまとめ買いをし、宅配便の回数自体を減らす」ことも推奨されています。
さらに運賃値上げや日曜日の配達取りやめなどについても、宅配便業者の働き方改善に必要な措置であるとして理解を求めています。
運送業者は慢性的な人手不足に苦しんでおり引越し業者も例外ではありません。特に近年は3~4月のピークシーズンに引越し業者を予約することができない「引越し難民」という言葉も登場。社会問題化しました。
引越しの際に「できること、やって欲しいこと」としては、「引越し業者を早めに依頼すること」「3月中旬~4月上旬の繁忙期を避ける」「土日祝日を避け、平日を選ぶ」といった事柄が紹介されています。
これらは引越し業者の負担軽減だけでなく、ユーザー自身の引越し難民化を避けるためにも有効な対策といえるでしょう。
トラックが安全運転を行うための「できること、やって欲しいこと」としては、「SAやPA、道の駅などにある大型車の駐車スペースに、マイカーを駐車することを控える」ことを紹介しています。
特にマイカーで出掛けるひとが多い連休中などは、SAやPAが混雑し、大型車用の駐車スペースに目が行きがちな場面もしばしばありますが、そんな時にも「マイカーは駐めない」の意識を持ってもらうことで、トラックドライバーが休憩を取りやすくなります。
厳しい状況が続く運送業界ですが、より良い物流の実現を目指して努力している企業があるということも紹介さています。2019年9月現在では、労働条件や労働関係の改善に務める「ホワイト経営マーク(仮称)」や、交通安全運動に取り組んでいる証「Gマーク認定事業者」などが取り上げられています。
今回紹介した「トラック運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」はまだまだ解説直後。今後は「トラック運転者の生の声」や「動画で見るトラック運転車の1日の仕事」など、一般のユーザーに向けたコンテンツが更に充実予定。長時間労働改善の改善や、人手不足の解消に繋げていくことが期待されています。
文/BUY THE WAY lnc.
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