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業務車両の必須装備。ドライブレコーダーのメリットとは?
近年シェアが高まっているドライブレコーダー。特に業務車両にとっては必須装備といえます。
本記事では、そんなドライブレコーダーの役割や搭載するメリットについて、改めてご紹介していきます。
ドライブレコーダーとは、車内・車外の映像や音声、速度、GPSなど、運転中の様々な情報を記録しておくことのできる車載機器です。
日本では2000年代に実用化が始まり、現在はタクシーやバス、トラックなどの業務車両を中心に普及が進んでいます。全日本トラック業界が実施した調査結果によると、トラック事業者では平成26年の時点で、7割以上の車両に導入されています。
交通事故を自分ひとりの努力でゼロにすることはできません。どんなに注意深く運転を行っても、たまたま傍を通りがかった相手の不注意ひとつで、事故の当事者になってしまう可能性があります。
そしていざ事故が起こった時、客観的な記録なしに、どちらに落ち度があったのかを救命することは非常に困難です。信号は青だったのか?強引な割り込みや、危険な煽り運転はなかったのか?当事者同士の証言をもとに究明しようにも、双方の言い分が食い違ってしまうことが少なくないためです。
特にバスやトラックの場合は、車体が大きい分、「落ち度がない」という確かな証拠がなければ、重い責任を背負わされがちです。このことを利用し、悪意を持って法外な示談金や損害賠償を請求する「当たり屋」行為を行う人も残念ながら後を絶ちません。
ですがドライブレコーダーを搭載していれば、もしも事故の当事者になっても、すばやく正確に原因究明を行うことができ、「落ち度がないにもかかわらず責任を負わされる」などのトラブルを防ぐことができます。また車上荒らしの原因究明や、警察による誤認検挙の防止にも役立ちます。きちんと記録を残しておくことが、ドライバー自身の身を守ることにも繋がるのです。
・若手ドライバーの安全教育に役立つ
全日本トラック協会が推奨する「運行管理連携型」のドライブレコーダーでは、あわや大事故に繋がりかねなかった映像を「ヒヤリ・ハット映像」として記録し、若手ドライバーの安全教育に活用することが出来ます。運送業界全体の意識向上に貢献することができます。
・自動車保険の割引を受けられる
損保ジャパンなど幾つかの保険会社は、車にドライブレコーダーを設置した加入者に対して、保険料の割引を実施しています。ドライブレコーダーの導入にはコストがかかりますが、落ち度がない事故で損害賠償を請求されるリスクや、月々の保険料まで含めて考えれば、経済面でも導入のメリットがあります。
全日本トラック協会が実施した調査によると、ドライブレコーダーを導入した事業者全体のうち、実際の事故処理に役立ったと回答した事業者は約4割。安全指導に役立ったという回答は6割ありました。
また7割以上が「運転者の安全意識が高まり、危険運転が減少した」と回答しています。運転中の情報を記録されているという自覚が、運転する上で適切な緊張感をドライバー自身にもたらしていることがわかります。
全日本トラック業界では、ドライブレコーダーの導入促進助成事業を実施しています。
助成の対象となるのは運行管理連携型のドライブレコーダー。ただし東京トラック協会など、一部のトラック協会では、運行管理連携型以外のドライブレコーダーも助成の対象にしている場合もあります。
文/BUY THE WAY lnc.
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