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多くのドライバーが「運転中に眠気による危険」を体験 睡眠不足が招くリスクとは
2025年7月、全日本トラック協会(全ト協)は、「いい仕事は快適な睡眠から 」と題した啓発チラシを公開しました。これは「ドライバーの健康増進に向けた取組の推進」の一環として作成されたものです。
そこで本記事では、トラックドライバーの睡眠不足が招くリスクや、睡眠のチェック方法などについて解説します。
「睡眠が必要なのは分かるけど、そもそもどれくらい眠ればいいの?」と疑問に思う方も多いでしょう。全米睡眠財団によると、推奨される睡眠時間は年齢ごとに異なり、18~64歳では7~9時間の睡眠が必要とされています。
また、良質な睡眠には時間だけではなく、リズムや質も欠かせません。特に夜間に運転することの多いトラックドライバーの場合は、生活リズムが不規則になりやすく、睡眠の質を著しく落とす睡眠時無呼吸症候群(SAS)にも陥りやすいため、注意が必要です。
トラックドライバーにとって、睡眠は心身の健康はもちろん、安全運転においても重要な要素です。
健康上のリスクとしては、睡眠不足の状態では糖尿病や高血圧など、さまざまな生活習慣病のリスクが高まります。免疫力が落ち、風邪を引いた際に肺炎に発展するリスクが1.4倍にもなるとされています。また、うつ病や認知症になるリスクも高くなると報告されています。
交通安全上のリスクとしては、居眠り運転などによる事故リスクが挙げられます。厚生労働省の調査によると、睡眠時間が時間未満のドライバーは、あやうく事故につながるところだった「ヒヤリハット体験」が2.3倍にものぼるとされています。
全ト協の調査によると、トラックドライバーのうち64.8%が、運転中の眠気により危険を感じたことがあるとしています。また、64.8%のうち68.4%は、実際に居眠り運転をしてしまったことがあると答えています。さらに、居眠り運転の経験をしたことのあるドライバーのうち69.9%は、その原因として睡眠不足を挙げています。
これらの数値からは、睡眠不足に起因する居眠運転が、現実にかなりの頻度で発生していることが分かります。
これまでに述べたとおり、睡眠不足の状態での運転は非常にリスクの高い行為です。トラックドライバー自身が十分な睡眠を確保できるよう務めることはもちろん大切ですが、それと同時に、事業者側もドライバーの睡眠の状態を把握し、問題があるようであれば無理に運行させない姿勢を持つことが重要です。
以下では、トラックドライバー自身と、事業者側が、ドライバーの睡眠不足をチェックする方法をそれぞれ紹介します。
厚生労働省の「成人のためのGood Sleepガイド」では、「あなたの睡眠健康度簡易チェック」として、以下のチェックリストが公開されています。
- ☐睡眠時間が足りていない
- ☐朝目覚めた時に休まった感覚がない
- ☐日中に眠気が強い
- ☐寝室環境が快適でない(例:寒い・暑い・うるさい・明るい)
- ☐寝る前や夜中にデジタル機器を使う
- ☐日中の運動量が少ない
- ☐食事時間が不規則
- ☐夕方以降によくカフェインをとる
- ☐喫煙や寝酒習慣がある
- ☐睡眠環境、生活習慣、噛む食品のとり方を改善しても眠りの問題が続いている
当てはまる項目が多い場合は、生活習慣の改善が必要です。
事業者がトラックドライバーの睡眠不足をチェックするうえでは、適切な点呼が重要です。業務前の点呼では、以下の項目を重点的に確認しましょう。
- ☐健康状態
- ☐疲労の度合い
- ☐飲酒の有無
- ☐服薬状況
- ☐異常な感情の高ぶり
- ☐睡眠不足
また、業務後の点呼ではその日の運行による疲労状況を確認したうえで、その内容に応じた休日、休暇等のアドバイスを行いましょう。あわせて、ヒヤリハット体験の有無も確認してください。
トラックドライバーの多くが睡眠不足に悩んでおり、実際に居眠運転やヒヤリハット体験につながっているケースも少なくありません。ドライバー自身はもちろん、事業者側からも十分な睡眠を促すことで、事故のない運行につながります。
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