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Amazonのドライバーが待遇の改善を求める。ブラックフライデーにあわせて

2024年11月29日、世界的なセールイベント「ブラックフライデー」にあたるこの日にあわせ、日本国内でもさまざまな商業施設、およびECサイトでセールが行われました。なかでも、世界最大のECサイトであるAmazonのブラックフライデーセールは割引率が大きいため、この機会にまとまった買い物をしたという方も少なくないでしょう。

しかし、このようなECサイトの大規模なセールは、運送事業者にとって過酷なイベントです。運送業界は長年、慢性的な人手不足を課題としています。とくにブラックフライデー等のセール時には荷物の数が急増するため、ドライバーが激務を余儀なくされたり、配送に遅れが生じたりといったトラブルが少なくありません。実際に今回のAmazonブラックフライデーセールでも「配送予定日が普段よりも遅い」といった報告が多く挙がっています。

待遇の改善を求める「Make Amazon Pay」

今回のブラックフライデーセールに合わせて、Amazonの荷物を運ぶトラックドライバーが、Amazonに対して声を上げる動きも見られます。11月29日にはAmazonの荷物を扱うフリーランスのドライバーが、東京都目黒区にあるアマゾンジャパンの本社前に集まり、「Make Amazon Pay(Amazonは正当な対価を払え)」をスローガンに掲げて、労働環境の改善や団体交渉に応じることを求めました。

「Make Amazon Pay」は日本だけで行われている運動ではありません。2020年より、Amazonが事業を展開する世界中の国で、各国の労働組合やNGOの協力を受けながら毎年のブラックフライデーにあわせて実施されています。

ユーザーからドライバーへの感謝を伝えるキャンペーン

そんななか、アマゾンジャパンはブラックフライデーにあわせて「ドライバーさんありがとうキャンペーン」を実施しています。

Amazonの荷物を受け取ったユーザーがAmazon EchoやスマートフォンのAlexaアプリなどに「アレクサ、ドライバーさんにありがとう」と言うと、配達したドライバーに対して感謝の気持ちとを伝えることができます。または、AmazonのWebサイトかアプリで「ドライバーさんにありがとう」を検索し、対象となる配達を選択することでも、「ありがとう」を伝えることが可能です。

Amazonからはユーザーからの「ありがとう」を受け取ったドライバーに対して、1件あたり500円の追加報酬が支払われます。これによりユーザーに追加費用が発生することはありません。このキャンペーンは、日本国内で送られた「ありがとう」の総数が50万件を超えるまで続くとされています。

「ドライバーさんにありがとうキャンペーン」は2022年にアメリカで始まりました。日本で開催されるのは今年がはじめてです。

インターネット通販が拡大を続ける昨今において、Amazonのような大手のECサイトは、多くの運送事業者にとって重要な取引先です。過酷な労働環境に苦しむドライバーは少なからずいるため、今後は待遇の改善が求められるでしょう。

そのうえで一般ユーザーは「ドライバーさんありがとうキャンペーン」などを活用し、ドライバーへの感謝を伝えたいところです。また、キャンペーンの利用以外にも、普段から宅配便を一度で受け取ったり、宅配ボックスや置き配を利用したりすることで、再配達を減らし、ドライバーの負担軽減に貢献することが可能です。

運送事業者はもちろん、荷主や一般ユーザーも業界の現状や課題を意識し、解決に向けて出来る範囲で取り組んでいくことが大切です。

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