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トラックドライバーの採用・人材確保に向けた取り組み

慢性的な人材不足が深刻な問題になっているトラック業界。そんな中にあっても、さまざまな施策や取り組みによって人材不足を解消している事業者があります。
全日本トラック業界では、国土交通省監修の「人材確保パンフレット」を制作。中小企業を中心に、人材不足解消に向けた12の取組事例を紹介しています。
本記事ではそのうちの数件を抜粋して紹介していきます。

株式会社ジャスト・カーゴ(北海道)

北海道石狩市に籍を置く株式会社ジャスト・カーゴでは、「月曜日から金曜日まで毎日フルタイム勤務」「運送も付随作業もドライバーがひとりでやる」といった業界の固定概念を捨てることで、採用の間口を広げています。

求職者や学生に向けては、「企業見学ツアー」「物流関係施設見学会」を実施しています。その根底には「たとえ将来の就職先の希望が他業種であっても、物流はかならず関わるため、見学会を通して物流に興味を持ってもらうことはことは、運送業界の取引環境改善にも寄与するのではないか」という考え方があります。

人材定着については「働いている人や働いている人の家族を優先することで会社も発展する」という姿勢。給料のベースアップや労働時間の短縮といった労働条件の改善に加え、社員と家族のコミュニケーションに繋がる福利厚生も大切にしています。

株式会社NTSロジ(東京都)

東京都東久留米市の株式会社NTSロジでは、それまで「期間雇用・期間更新・時給制」だったドライバーを正社員化。機関の定めがない雇用で安心して働ける環境を整えました。

また若い社員を中心に「高卒採用プロジェクト」が発足。高校新卒者は入社後の2年間で、仕分け作業をしながら免許取得や業界の勉強をした上でドライバーになります。若手ドライバーを自社で育て上げ、しっかりと一人前にしてから運転を任せます。

さらに近隣の人々へのPRとして「トラック体験会」を開催。イベントの内容は「衝突体験」「子ども安全免許証発行」「試乗体験」「保冷車体験」「交通安全教室」などです。

株式会社KUBOXT(広島県)

業界における人材不足の解消には女性の登用も重要な課題です。広島県広島市の株式会社KUBOXTでは2018年、県内で働きたい就活生のためのイベント「ひろしまボスミーティング」の企画に参加し、それをきっかけに女性2名を採用。

「人材確保パンフレット」では「若手でも意見が言えそう、いろいろなことができそうだと思いました」「社長のエネルギーと人柄に魅力を感じました」など、入社した女性社員のインタビューも紹介されています。

事業については「若い方がしたくなるような仕事にしなくてはなりません」という考え方。そのために、社員に対する相応の対価と、やりがいの実感を重視。直荷主での受注を信念とし、「自分の届けた荷が加工されてこうなる」といった流れを社員が理解できることで、社会的使命を担っていることを実感することができます。

文/BUY THE WAY lnc.

ドライブワーク通信バックナンバー
  • 外国人が好む募集要項
    2025年春、特定技能制度に新しく追加された業種「自動車運送業」。現在、少しずつ参入企業が増え、採用活動を行っている企業が増えています。今後さらに多くの企業が参入し需要が供給を超え、人材の引き合いが見込まれるこの制度ですが、外国籍ドライバーが集まりやすい募集要項はどういった内容なのでしょうか。今回は、外国人の候補が好む条件について実際の声も参考にし、ご紹介します。
  • 外国人ドライバーを検討する上での国籍比較
    特定技能制度は、国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度です。2018年に在留資格「特定技能」が創設され、2019年4月から受入れが可能となりました。自動車運送業分野においては、特定技能1号について受入れが可能な分野として2024年4月新たに定められました。
  • トラックドライバーの喫煙率は平均の3倍以上 健康リスクだけではなく交通事故のリスクも
    2025年7月、全日本トラック協会(全ト協)は、「ドライバーの健康増進に向けた取組の推進」の一環として、「運転中だけたばこをお休みしてみませんか? 」と題した啓発チラシを作成しました。それに合わせて本記事では、トラックドライバーの喫煙状況や、一般的な喫煙のリスク、トラックドライバーならではの喫煙リスクなどについて解説します。
  • 多くのドライバーが「運転中に眠気による危険」を体験 睡眠不足が招くリスクとは
    2025年7月、全日本トラック協会(全ト協)は、「いい仕事は快適な睡眠から 」と題した啓発チラシを公開しました。これは「ドライバーの健康増進に向けた取組の推進」の一環として作成されたものです。そこで本記事では、トラックドライバーの睡眠不足が招くリスクや、睡眠のチェック方法などについて解説します。
  • 全ト協、2024年の交通事故統計分析結果を公開
    2025年6月、全日本トラック協会は「2024年の交通事故統計分析結果【確定版(車籍別)死亡・重傷事故編】」を公開しました。

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