特定技能制度とは?外国人人材の登用はトラックドライバー不足につながるか
2024年3月、特定技能制度の対象分野に「自動車運送業」が追加されました。これにより、一定のスキルを持つ外国人人材を、即戦力のトラックッドライバーとして採用することが可能になりました。
本記事では、特定技能制度の概要や、自動車運送業が対象になった背景、外国人ドライバーの現状の活躍や、今後の展望などについて解説します。
特定技能制度とは、高齢化などによる人材不足が顕著となっている分野を対象に、一定のスキルを持つ外国人人材を、即戦力として受け入れるための在留資格制度です。2019年4月より開始され、2024年3月にはトラックドライバーを含む自動車運送業が対象に追加されました。
運送業界にとって、トラックドライバーの不足は慢性的かつ深刻な課題です。ドライバー不足の要因のひとつとして、現役ドライバーの著しい高齢化や、2024年問題が挙げられます。
現役ドライバーの高齢化
大型トラックやダンプカーなどを運転するために必要な大型第一種免許の保有者は、2022年には約431万人でしたが、2022年に約408万人と、20年間で約23万人も減少しています。
なかでも若年層の減少が著しく20代の保有者は2002年時点で約39万人でしたが、2022年時点では約14万人となっており、おおよそ1/3にまで減っています。30代も2002年の約90万人から2022年の約36万人と、大幅な減少が見られます。
一方で60代以上の保有者は増加傾向にあり、2002年には約86万人でしたが、2022年には約177万人と、倍増しています。
特定技能の対象となる外国人は、61%が10~20代、30代は35%であり、合わせると96%となります。特定技能制度により即戦力となる若手人材を受け入れることで、高齢化によるドライバー不足が解消されるのではと期待されています。
また、2024年4月移行、働き方関連法案の適用により、トラックドライバーの時間外労働時間に上限が設けられました。これにより見込まれた一層の人手不足は、2024年問題として、運送業界や荷主企業にとっての大きな課題となりました。この2024年問題も、特定技能制度による外国人人材を受け入れる背景のひとつとなっています。
トラックドライバーが特定技能制度の対象となってから1年以上が経過しましたが、現時点で多くの企業は外国人ドライバーの登用に慎重となっており、活躍している割合はそれほど多くありません。
その主な要因としては、制度について詳しく理解している事業者が少ないことや、コミュニケーション面などの不安を感じている事業者が多いことなどが挙げられます。
なお、特定技能制度で人材を受け入れる際には、企業と外国人の双方が、一定の要件を満たしていなければなりません。また、自動車運送業における特定技能制度の受け入れは、令和10年度末までで2万4,500人を最大見込み人数としています。これは、介護の6万人や、外食業の5万3,000人と比較するとある程度慎重な数値であると見られます。
とはいえ、冒頭にも述べたように、トラックドライバーの不足は非常に深刻です。現時点では慎重な企業が多いものの、受け入れによる成功事例が多く出てくれば、今後この制度により、多くの外国人人材が活躍する可能性は低くないでしょう。