トラックドライバーの「こころの健康」について
なかでもトラックドライバーは、ひとりで過ごす時間が長いため、本人が気づかないうちにストレスを溜め込んでしまうケースも少なくありません。小さな不調でも軽く考えず、適切なサポートを受けることが大切です。
全日本トラック協会(全ト協)でも、令和8年8月より、「ドライバーのためのこころの健康アドバイス動画」と題した動画シリーズを公開しています。
そこで今回は、トラックドライバーがストレスに気づくことの重要性や、ストレスに気づく方法、メンタルヘルスに不安を感じたときの相談先などについて紹介します。
メンタルヘルスの不調を防ぐには、まず自分にどのようなストレスがかっているのかを知ることが大切です。
陸上貨物運送事業労働災害防止協会(陸災防)の「陸運業におけるメンタルヘルス対策に関する実態調査報告書」によると、運送業において約10人に1人がメンタルヘルスの不調によって休職しています。このことから、ストレス対策が重要な課題であることがわかります。
トラックドライバーの業務には、人間関係や不規則な勤務体系、天候、納期へのプレッシャー、安全運転の責任など、ストレスの原因(ストレッサー)になる要素が多く存在します。
過度なストレスが続けば、頭痛や食欲不振などの身体症状だけでなく、気分の落ち込みやイライラといった心理的な症状が現れることがあります。これを放置すると、遅刻や仕事上のミスにもつながりかねません。
ストレスへの対策で重要なのが、不調のサインをなるべく早く発見することです。主に3つの方法があります。
①自分で変化に気づく
自分自身で変化に気づく方法です。「食欲がなくなった」「眠れない」「頭痛が増えた」といった身体の変化だけでなく、「悲しみ」「イライラ」「やる気が出ない」といった心の変化にも注目しましょう。また、「人との交流を避ける」「飲酒量が増える」など、行動に現れる変化にも注意が必要です。
②職場のストレスチェックを活用する
職場のストレスチェックを利用する方法です。ストレスチェックとは、自分のストレス状況を把握し、場合によっては必要なサポートにつなげるための制度です。令和10年4月からは、すべての事業所で実施が義務付けられます。
③周囲のひとに気づいてもらう
メンタルヘルスの不調は、自分自身で気づきにくいことも少なくありません。そのため、周囲のひとに気づいてもらうことも重要です。日頃からコミュニケーションを取り、周囲が「いつもと違う」と感じた時に声をかけあえる関係を構築することも、早期発見につながります。
「気持ちが落ち込みやすくなった」「寝つきが悪くなった」など、メンタルヘルスに不安を感じたら、できるだけ早く周囲に相談することが重要です。
まずは上司や同僚など、相談しやすい相手に現在の状況を伝えましょう。職場に産業医や相談窓口が設けられている場合は、そちらを利用するのも効果的です。また、症状が続いていたり、仕事・日常生活に支障が出ている場合は、医療機関の受診も検討してください。
「これくらいなら大丈夫」と我慢を続けるのではなく、自分からSOSを出すことを意識しましょう。早い段階で相談することで、必要な支援を受けやすくなります。
トラックドライバーは、一人で過ごす時間が長いからこそ、ストレスやメンタルヘルスの状況に注意する必要があります。過度なストレスを感じたら、一人で抱え込まず、上司や産業医、医療機関などに早めに相談することが大切です。