改正物流法、荷主企業の認知度に課題
ソフトウェア開発企業のアステリア株式会社(以下、アステリア)は、荷主企業に対する調査を実施し、2026年9月8日にその結果を公表しました。
改正物流法の主なポイントは以下の2点です。
・物流効率化法
・貨物自動車運送事業法
それぞれ見ていきましょう。
物流効率化法
以下に該当する事業者は、「特定事業者」に指定されます。
・特定荷主・特定連鎖化事業者:取引貨物の重量が9万トン以上の荷主・連鎖化事業者
・特定貨物自動車運送事業者等:保有車両台数が150代以上の運送事業者
・特定倉庫事業者:貨物の保管量が70万トン以上の倉庫事業者
特定事業者には、次の2つの取り組みが義務付けられます。
・中長期計画の作成
・定期報告
また、特定荷主・特定連鎖化事業者には、上記2つに加えて、物流統括管理社(CLO)の選任も義務付けられます。
貨物自動車運送事業法
すべての運送事業者や荷主企業が対象です。荷役などの付帯業務の書面契約化や、適正な運賃の受取を妨げる行為の禁止などが定められています。
改正物流法の施行によって荷主企業への規制が強化されましたが、その内容は充分に周知されていないのが現状です。
アステリアの調査によると、荷主企業のうち、物流効率化法について「詳細まで知っている」あるいは「ある程度知っている」と答えた割合は、物流効率化法で27.7%、貨物自動車運送事業法で24.8%にとどまりました。また、いずれも4割の荷主が「知らない」と回答しています。
具体的な対策を行っている荷主の割合はさらに限られます。改正物流法に向けた取り組みを「特に行っていない」と回答した荷主は全体の6割におよびました。取り組み内容を見ても、「付帯作業の作業時間の把握」が12.5%、物流改善計画の策定が9.2%、「物流KPIの定量管理開始」が7.3%と、多いものでも1割前後にとどまる状況です。
また、改正物流法で管理が求められる項目のうち「記録・管理していない」の回答が多かったのは「トラックの入退場・待機時間」の54.4%、「荷役の作業時間」の48.5%、「バース(荷下ろしスペース)予約・接車スケジュール管理」51.0%などでした。
加えて、これらの管理にシステムやアプリが使われている比率は、わずか4%未満と、非常に低い状況となっています。導入するうえでハードルになっているのは、費用面に加えて、「現場のスタッフが使いこなせるか不安」といった声が多く集まりました。
一方、システムやアプリに対する期待感は低くありません。モバイル端末を活用することで現場負担が「減ると思う」「ある程度減ると思う」と回答した割合は47.1%と、ほぼ半数にのぼりました。モバイル端末で管理したい業務としては、「在庫・棚卸の記録」「日報・作業報告の入力」「検品結果の記録」などが多く挙げられています。
改正物流法が施工されたものの、荷主側の対応はまだ充分ではないのが現状です。しかし、まだ導入が進んでいないアプリやシステムに対しては一定の期待感があります。今後どのように導入を進めていくかが、荷主も含めた物流効率化の鍵といえるでしょう。